■ 馬に蹴られろ! 4a
・・・ CASE 4 当麻 。





かなり、俺の眼は危なかったに違いない。
何故ならば、伸が何も言わずに受取ったから。

―――耳栓を。




もう、3日しかない。
征士と一緒にいられるのは。
お互い、普段の生活に戻れば、鎧戦士であろうが無かろうが、学生な訳で。
おいそれとは、逢えなくなる。
しかも、大阪と仙台、距離は600km。
距離のみならず、時間も金銭も、全てに制約がある。


だから。

ハッキリ断言する!
今日!スル、ヤル、抱く!
もちろん、征士を!


傍にいられなくなるのは、切なくなる程に寂いけど。
そんな感傷よりも、取りあえず、きっれーな征士に唾つけときたい。
俺のもんって、しときたい。

それじゃなくても、自覚が薄いっていうか、何考えてるかわからん征士に、俺だけが特別なんだからって擦り込んでおきたい。
(いろんな意味で)

なので、スル為の場所の選択肢としては
1 外でする
2 部屋でする
これは、1でシようとして失敗したから。
もう、開き直って2だ!2!

更に、部屋でするに当たって、伸へ音漏れの配慮としては
1 征士に猿ぐつわ
2 伸に耳栓
これも、2だ!2!

征士に猿ぐつわってのもソソルけど、後でえらい事になる。
しかも、たぶん、声は漏れる。

で、最初にケチをつけてくれた人物に、耳栓を渡した訳です。
かなり、切羽詰まったオーラを全身から噴出させて。受取れよって。


そして。
更に。
とった行動は、
俺、本当に、IQ高いのかと訊かれると、答えたくない程にベタな事で。
目的のために手段も人目も何も気にできず。


目の前の征士が目を剥くのが、尤もだ。



「睡眠薬?!私に盛ったのか?」

「征士に薬盛っってどーするんだよ。無理矢理スル必要ないのに」

合意の上ですよね、征士さん。

「反応なかったら、つまんないだろ」

「はんのう…」

今までの事を思い出したのか、顔が赤くなった。

照れる征士って、それだけで、抱きしめて、イイことしたくなるほどに、イイ。
しかも俺が原因な訳で。
なんか、嬉しくなったりして。
こんな表情が見られなくなるの、すげぇ残念。
だから、今日はいい表情を沢山みせて、な…。

堪んなくて、横に座る征士をぎゅっと抱きしめる。
いつも征士の方が体温を低く感じるのは、体質なのか、俺が興奮し過ぎなのか。

「伸と、念のため他の連中にも。今日、食後のお茶、俺が運んだだろ」

薬を盛ったお茶。


きちんと、自分で人体実験していた。
2日前から。
消灯の頃から、効き始めるように。
飲まされた人間が気づかず、不自然に感じないように。
深い眠りに落ちるかどうか。
物音に反応しない様に。

伸に耳詮渡したのは、念のためって事もあるけど。
翌朝の征士(もしくは俺)の様子から察するだろうから。

それなら、前もって言っときます!
宣言しときます!
ヤリます!
だから、邪魔すんな!
今度、んな事をしたら、本当に蹴り飛ばす!

その気迫は通じたようで。
受取ってくれました。



伸に宣言したのは、征士には言えないけど。
(バレたら、触らしてくれないに違いない。)


そんなこんなで、周囲の環境は準備万端!
仕込みも流々!
残すところ3日ってところで!
長かった!


後は、彼の人と優しく、否、いやらしく触れ合うだけ…。

って。
仲間に薬を盛って、評価を著しく下げたところからのスタートだけど。


「無茶苦茶だと、自分でもわかってるけど。こーでもしないと、さぁ」

ちゅっーとキスして。

「セックスできないじゃん」

「その熱意は、尊敬に値するな…」

「んな、冷めた言い方すんなよ。それとも、照れてんの?」

冷めた征士を熱くしていく方法は、解かってきてるから、大丈夫。

微笑みかけながら、ベッドに押し倒して。

この前の続きじゃないけれど。

何度も何度も口づける。

その唇に、愛おしさを伝えながら。

欲を煽りながら。



  


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お待たせ!当麻!GOGO!(笑)

2011.10.19 UP
 by kazemiya kaori