■ 青すぎる春2 ・・・動きはじめた 青過ぎる春
戦況は、一進一退。
征士との関係は、無進無退。
日々の戦いに、疲れきって柳生邸へ帰ってくる。
流石に戦闘中は、んな事考えていられないけど、武装を解けば大抵征士との事を考えちまう。
なんで、あん時、強引に…いやいや…
しかも、好きって言いてないじゃん。どんだけ、焦ってんだか、欲情くん。
でも、するのを断られたのに、そんなに凹んでない…。
なんでか?
理由は…自分の予想していた「同性から欲情された嫌悪感」を向けられなかった…から?
今さら気付くって。結構、本気でイッパイイッパイだ。
なので、また訊いてみた。今度は押し倒さず、ね。
「征士はさぁ、両想いなら男とでもスル?」
「究極的に考えれば、それもありだろうな」
究極的!!ずいぶん他人事みたいに言われて、ややショックだけど。
まぁ、望みがない訳ではない訳で。
ベットに腰掛けてる征士の横に、当然と位置をとる。
こんなに近いのに、触れられないのね〜。
「本当に、本人が想っていて相手も受け入れて、望むのであれば、性別はいいのではないか?
まぁ、子孫云々は問題は、子供は持つ持たない・できるできないなど、異性間でもあるから…。」
前半の告白風なセリフを眼を見ながら言われたら、勘違いしそう。
あぁ、押し倒したい。
「お前の恋愛観も聞かせてもらおうか。私ばかり…恥ずかしい」
本来の征士なら、こんな風な話はしないと思う。
たぶん、戦況が戦況ゆえに、こんな話でもして、精神の均衡を保っているのだろう。
征士にしては、いやに饒舌だ。
最初は、無口で嫌なやつだったのに。
それとも、同室の俺に心を開いてきてるんだろうか?だったら、友情以上にならないかなぁ。
「恋愛観…なぁ」
「手近な相手に性別関係なくシようと言った、ぶっ飛んでいるお前の恋愛観とやらを、是非、聞かせもらおうか」
「好きな相手とスルかな?」
答えると、征士はいや〜な顔をした。
「とってつけたように。別に、私に合わせて言わんでもいい。責めたりしないし、変り者というのは分かっているぞ。今さら、取り繕わなくても」
「いや、ホントだって。征士好きだなぁと思ってて、で、」
「出た言葉が、セックスしよう、か。飛びすぎだろう」
信用ならないって顔をしてる征士。
そーだよなー、飛びすぎ俺。
空も、思考も、言葉も、行動も、飛んでますよ。
でも、一番、ぶっ飛んじゃうのは、征士が絡む時なんだよなぁ。
「言葉が飛んでたのは、分かってるって。でも、征士好きなのはホント」
「…一応、聞いとく。」
と、'はいはいわかったわかった'的な返事だった。
「その、飛んでるお前の作戦に命預けているのだから、頼むぞ」
半ば呆れた声がかえってきた。
今日の会話はこれで終わりらしい。
規則正しい生活が信条の光輪様は、すやすやと眠りにつかれてしまった。
当麻さんより寝てませんか?征士さん。
2011.09.06 UP
by kazemiya kaori