当麻&征士 Love Valentine 2014
Dangerous chocolate 3
by スズシロ 様
卑猥な水音が室内に響き渡る。
粘った水音--当麻が征士をしゃぶる音。
一度放ったにも関わらず征士のそれは薬の力と当麻の舌によって硬く屹立していた。当麻はねっとりとした愛撫を唇と舌、指先で征士に施し見上げる視線で征士の反応を窺っている。
「ぅっ……」
切れ切れの喘ぎが水音に混じる。
征士は学生服を体に引っかけた格好のまま四肢をのたうたせ、何とか快楽を殺そうとしていた。
色白の皮膚に血の色が混ざり合いどんな男の目も惹きつける鮮やかな色合いになっている。シャツの合間から見えるピンク色の乳首は硬く尖って触れてくれと誘っているようだ。 快楽と屈辱に耐える征士の表情は清らかなのに、否清らかだからこそこの上なく艶めかしい。
「--認めたら? キモチイイって」
しゃぶるのをやめてそう促し、当麻は唾液に濡れる後ろの狭間へと指を伸ばした。
「そこはっ……!」
一応、男同士での知識はあるのか征士は声を張り上げ当麻を制止しようとする。
「何?」
当麻は構わずにその秘められた場所に指を這わせた。
当麻の指は彼の唾液と征士が流し続けた快楽の涙でドロドロに濡れていた。その異臭のする妖しい液を当麻は長い指先でそこへと塗り込めていく。
「っ……っ!!」
征士は喉を仰け反らせ、必死に悲鳴をかみ殺していた。
前への愛撫とは違う刺激による快楽が断続的に脳を襲いもう堪えきれずに膨れ上がっている。
だがそれを理性で必死に押しとどめ、征士は唇を噛む。
本当は両手で口を押さえたいのだが腕を拘束されていてはどうしようもない。頭の上でベルトが軋んだ音を立てている。
「ぁっ……はあっ、……うぁ……当麻っ……」
拒む言葉をとぎれとぎれに訴えながら征士は未知の感覚を耐える。口での愛撫もそうだったが征士はそんな仕打ちを受けた事はなかった。
粘った液体を塗り込められるたびにひんやりとした外気が感じられる。それが感覚を研ぎ澄まし、快楽と痛みを膨張させていく。
ついにヌルリと人差し指が征士の中に入ってきた。
じわじわと解きほぐし、ゆっくりとかき回してくる動き。
「やめろ、……やめ、ろっ……」
ただ必死に訴えるしかない。暴れたくても薬に犯された体ではどうしようもない。ほんのわずかでも身動きする度に、当麻が身じろぎする度に、痛いほどの快感が迸って自分で自分を止められない。
内部を抉る指が増えていく。二本、三本。
異物感はあったがそのたびに後ろから前へ、下から上へ、甘美な衝動と感覚が駆けめぐっていく。
「当麻っ……」
いつから自分はこんな対象として彼に見られていたのだろう。それを思うと気が狂いそうだった。人付き合いの苦手な征士にとって、当麻は気を許せる数少ない友人だと思っていたのに。
「当麻--」
指が引き抜かれた。それにすら感じて、征士は身をよじりもどかしげに膝を揺らした。
三本の指にならされた入り口に、怒張した当麻のモノが押し当てられる。
「ゃっ……」
強い光を放っていた征士の瞳に怯えが走る。
それを見た瞬間、当麻は生まれて始めての激情と衝動に駆られた。
征士の脚を広げて抱え上げ、一挙に体を進める。
「うぁああっ……!」
甲高い征士の悲鳴が狭いアパートに響き渡る。
刺し貫かれた痛みは、同時に破裂しそうな快楽を含んでいた。
脈打つ当麻の怒張が征士の狭い体を押し広げ、押し開く。
根元まで楔を埋め込むと、当麻は荒い息を吐き、征士の顔を見下ろした。痛みのあまり征士は目尻から涙をこぼし、呆然と当麻を見上げていた。
「ずっとこうしたかった」
かすれた声でそういうと、当麻は思いのままに征士を貪り始めた。
「キモチイイ? イタイ? イタイけどキモチイイ?」
快楽を貪りながら当麻は征士にふざけた質問を繰り返す。征士は揶揄されている自分を感じ取り、微かに首を左右に振った。
「答えろよ」
そう言って当麻は奥深くまで征士をエグる。
「いっ……っ」
まるで引き裂かれそうな痛み。だがそれを上回る快感。征士の雄はこらえきれない快楽の涙をこぼし続け、今にもはじけ飛びそうだった。
「答えろよ。なあ、今征士さんの中に入っているのは、誰のtnk?」
そう言って遊ぶように当麻はぐりぐりと自分の腰を回す。
その卑猥な動きと淫猥な感覚に征士は叫び出しそうだった。
「ここもうパンパンじゃん、征士? イっちゃったら? このまま、俺でさ--」
「ふ、ざけっ……ぁあっ」
時折おもちゃのように当麻は征士の前を嬲る。
「まあね、こっちだけでいっちゃったら征士はもう女の子と同じ」
猥雑な言葉を吐きかけて当麻は征士の屹立を指先で弄り回す。
同時に後ろを激しく突き上げる。
「ぃ、やっ……はぁあああっ」
前後を同時に嬲られ弄り回されて、征士は二度目に放った。
勢いよく飛び散った白濁が征士の腹を汚す。
その強烈な締め付けに負けて当麻も顔を歪め、征士の中に己の欲を全て吐き出した。
その熱い衝撃に征士は呻き、体を大きく震わせる。
当麻は長く深呼吸を繰り返し征士の中を味わうと、ゆっくりと己を引きずり出した。
「んっ、……ぁ……」
そんな動きにさえ感じてしまって征士は吐息を漏らす。
当麻は征士の濡れた体を見下ろした。
鮮やかな桜色に染まった白い体。欲を絞り出して震える皮膚。全身に吸い付きたいという欲求が膨れ上がり、当麻は征士の胸を噛んだ。何故か征士の肌は砂糖のように甘い感じがした。
舌を這わせ、乳首を舐め上げる。
ぷっくりと膨れ上がり硬くなったそれを舌で転がすと更に硬くなった。
「うっ、あ、あぁっ……」
征士はもうタガが外れきったのかあられもない声を立て続ける。
「すげーエロい。征士さん、はしたなくてとてもいい感じ」
笑みをこぼしながら当麻はそう言い、征士のあさましい姿態を観察する。
「こんなことをして……ただですむと思うなっ」
目に涙を浮かべながら征士は怒鳴った。
それしか最早抵抗する術がない。
「へえ……元気じゃん」
当麻は征士の口に触れ、唇をなで上げる。今にもその指に噛みつきそうな征士の形相だった。
当麻は自分が身を起こすと、征士の上半身を起こさせた。
学ランがずり下がる。それを持ち上げて、当麻は肩まできちんと学ランを着せつけた。
「……?」
意味の分からない行動に征士が不思議そうな表情を取る。
前ははだけてシャツに学ラン、学ランのボタンは一部ちぎれている。剥き出しの下半身は欲に濡れ下腹も白濁にまみれ異臭を放つ。だが征士の持つ清廉な美しさは失われずその瞳は誇りを失わないまま。
当麻は思わず生唾を飲み込むと立ち上がり、征士の眼前に己の欲をつきつけた。
まるで当麻自身が媚薬を飲んでいるかのように、欲は際限なく固まり己を熱くしていった。
「何をっ……」
反射的に身を退いた征士の金髪を掴み上げ、当麻は己の欲を彼の唇に押し当てた。
「征士、俺ので何回いった?」
「ぐっ……」
「さっき、俺が征士のしゃぶってやったよね? 同じようにやって? 出来ない?」
征士は目ばかりを大きく見開いてどうすることも出来ないでいる。
「俺のですっかり気持ちよくなっちゃってんだろ、征士? もう何回イった?」
荒く息を切らしながら当麻は言い募る。
「見てりゃ分かるんだよ。何も出さなくたって、何回もイっていたろ……? 女みたいに射精もしないで続けて何回もイってたよな?」
「ア……」
バレていたと知り、征士は体を強張らせ何事か抗弁しようとする。
その口の中に当麻は自分を押し込んだ。
「俺のしゃぶってイけよ」
己の欲を塗られた唇。そこから当麻が入ってきて、口いっぱいに当麻の青臭く男臭い匂いが広がる。
「……」
征士は当麻を咥えたまま動く事も出来ないでいた。そこで当麻は足を動かした。靴下をはいたままの足先で器用に征士の前をいじる。足でふみつけるようにしたり、親指でくすぐったり--そんな刺激にすら征士は感じるのか自分の欲望を震わせ硬く形を変えていった。
「ンっ……くぅ……」
征士は、ゆっくりと唇を動かし始めた。
唇だけではなく、舌も。
欲望の首の辺りを舐め、裏筋を舌で辿る。それはあまりに稚拙な動きだった。
今まで自分が男に奉仕することなど考えた事もないだろう。先ほどの当麻の愛撫を辛うじて何とかまねている、それが分かる動き。
「そう、なかなかうまいじゃないか」
当麻は靴下を足だけで脱ぎ捨てるとまた器用に足先で征士をいじった。
「ほら、頑張れよ--うまくできたらご褒美やるから」
笑いながらそう言って、当麻は足の指で征士をからかうようになで上げる。それから親指で首の辺りを掴んでこする。
「あっ、あ、ふっ……」
気持ちよくて声を立ててしまいそうになりながら、征士は当麻をくわえ、それからむせた。どんどん硬くなって男臭くなっていく当麻、その先走りの液、それらに拒絶反応が出たらしかった。
それを叱りつけるように当麻は征士を軽く蹴り、それからなだめるように足でふむようにして刺激する。
「くぅ……」
苦しいのか、悔しいのか、征士は目に涙を浮かべ、それでも当麻を口の中に飲み込むようにして奉仕を続けた。
淫靡な時間が流れていった。当麻は征士がうまく出来ると足で扱き、征士がさぼると踏んだり蹴るそぶりを見せる。征士は次第に従順に当麻に奉仕し大胆に舌を使うようになっていった。
「征士、お前足に感じてんの? それとも俺のしゃぶって興奮してんの?」
荒い呼吸を繰り返し、笑いながら当麻が聞く。
正解は媚薬に刺激されてもうどうしようもないだけなのだが、征士は自分の体の反応が自分で説明出来なくなっていた。膨張したそれはもう我慢出来ない汁をとめどなく流してテカっていた。
学ランの下、征士の剥き出しの太腿と下肢。
「答えろよ--」
当麻は足で征士の欲望をくすぐるように刺激した。
「どちらでもないっ……下劣なっ……」
媚薬に犯され息を荒げながら征士は言う。
「こんな真似をして満足か、当麻っ--見損なった、ゲスが。貴様はもう人間ではない、卑劣なゲス、屑!」
「こんな状態で屑とかいうかよ、強情っ張り」
当麻はおかしそうに笑った。
「自分の体見てみ? そんな奴の足に弄られて感じちゃってるのは誰? もうとてもそんなこと言えないだろうよ」
金髪を掴んで当麻は下を向かせる。征士は否応なしに自分の欲望を直視してしまう。
反射的に頭を左右に振って現状を否定しようとする征士。
「お前さあ、そういう反応、俺を喜ばせるだけだって分かってる?」
呆れたように当麻は言った。
「そ、んなっ……」
全然そんなつもりはない征士は驚愕して何か言おうとした。だが、長時間に及ぶフェラチオのせいで声が掠れてしまう。
「お仕置き」
そう言って当麻は再び征士の口に突っ込んだ。
「んぐっ…うぁ…………」
更に当麻は征士の頭を両手で掴んで固定すると自分の腰を押しつけ大きく前後に動かした。
征士はもう呻く事すら出来ない。
激しい動きに呼吸もままならず、暴れそうになるが腕は縛られ自由にならない。当麻は征士の口に散々に突っ込んで楽しむと、限界でようやく腰を退いた。
「ダメっ---」
どうされるか理解した征士が回らぬ舌でそれだけ言う。
そんな表情に向かって当麻は自分の最低の欲望を限界までぶっかけた。
破裂した白濁は顔だけではなく学ランの襟元まで飛び散り校章にかかる。
征士は顔にかけられた事により全身にかけられたように錯覚し、絶望に身を震わせる。
「いやらしい顔」
うつむこうとする頤を持ち上げ無理矢理上を向かせながら当麻は言った。
「最初に見た時からエロいと思ってたけれど正にエロの塊だわ、征士さん」
「違……」
まだ何か征士は言いたそうだった。だがもう口に力が入らない。
そこに当麻は食べかけの媚薬入りのチョコを取り出し、征士の唇に押し込んだ。
「ンっ」
それから自分も一粒取り出し自分の口の中に放り込む。
「本当は一個だけで十分、普通の人間の理性が吹っ飛ぶクスリなんだけどな。強精効果もあるようだし、ちょっと試してみようぜ」
「何を--」
「限界まで。二人でどれだけ飛べるか」
チョコレートを噛み砕くと甘い匂いが辺りに満ちる。
それを食べたらどんなことになってしまうか征士は分かっている。だが、気がついた時征士は自分からチョコレートを噛んでいた。ブランデー、否、媚薬の味が口いっぱいに広がった。
思わず声を上げてしまいそうな熱い衝動が体の奥底からこみ上がってくる。
それは当麻も同様で、当麻は征士に抱きつき押し倒してきた。
「痛っ!」
畳に押さえつけられた衝撃で悲鳴が上がる。
だが当麻は征士が痛みにもがくにも関わらずうつぶせにして膝を立たせた。
「ア----」
征士がその格好に言いしれない羞恥を感じて当麻を振り返る。犬の姿勢を取らせた後、当麻は後ろから征士に襲いかかった。
「今度は後ろからぶっかけてやるよ」
「やめっ……」
征士が止めるのにも構わずに当麻は後ろから無理矢理侵入を果たした。
「ぁっ……あ……あ……!」
次第に高まっていく征士の声。
オンボロアパート全体が軋むような激しさで当麻は征士を求め、穿つ。
打ち付けられる腰により肌が弾ける音が響き渡る。
それとともに粘膜がふれあいこすりつけられる独特の卑猥な音。
一度放たれている征士のそこからは白濁の液体がこぼれ落ち潤滑油の役割を果たしながら当麻を受け入れ猥褻な音を立てていた。
「はぁっ、ぁああっ……やあっ」
それらの音に征士の喘ぎ声が混じる。
その喘ぎ声は次第に涙が混じり始めた。
当麻は容赦なく腰を使いながら征士の前へと手を伸ばす。
前立腺を擦り上げられ弱い部分を叩き上げられて征士の雄はもう限界まで膨れ上がっていた。
それを当麻は指先で扱き立て尖端から零れてくる欲の液を塗り広げては擦り立てる。
「ふぁっ……ああっ、や、嫌、はぁっ……当麻っ……!」
声が高まる。
だがそれは嫌がっているのかよがっているのか最早判別がつかない。
欲望と衝動のままに当麻は征士を貪り屠る。
当麻に犬の姿勢を取らされ前後を苛烈に責め立てられて征士はついに涙を流した。
「ひぁっ、いっ……あぁあっ、ああああっ……!」
「イイの?」
微かに混じった言葉に反応し、当麻は征士の背筋を指で辿る。
「っ……」
背筋をくすぐられる快感。それにすら過敏に感じているのだろう。
それは征士の内部の動きで分かる。当麻を締め付け絞りだそうとするその動き。
だが征士は意志の力で声を殺し、唇を噛みしめ、顎を仰け反らせて耐えている。
「征士、だから、そういう反応が俺を喜ばせて誘っているって何故分からない?」
残忍な笑い声を立てて、当麻は背筋に大きな円を描きつつくと、征士の雄を巧みに扱き立てた。
「ンっ……ぁああっ……」
ついに征士が声を漏らす。
「我慢するなら我慢しきれよ、そんなにエロい声立てて、元から淫乱なんじゃないの?」
きゅっと前の首を掴みながら当麻が言う。
「……っ」
征士が振り返り、悔しそうに当麻を睨んでくる。
「嫌? 屈辱? それなら最後まで拒み通せばいいんだぜ、征士さん」
当麻はそういうと首の周りの弱い部分を指先で擦り上げる。
「っ……! ゃぁっ……!」
甘美な悲鳴が上がる。
小さく掠れた、どこかに欲を孕んだ征士の声。
「キライ?」
いたぶる快感に身を浸しながら当麻は征士の欲望を辿り、根元を強く締め上げた。
「な、にをっ……」
「キライなら手伝ってあげようと思ってね、何、征士は最後までイかなきゃいいんだ。俺はこのまま気がすむまでヤらせて貰うし」
低い笑い声を立てながら当麻はそう言い切ると、ひときわ強く征士を突き上げた。
「あっ……」
もう声を我慢することは出来ない。喘いで征士は身を捩る。
三粒の媚薬により全身が性器のように火照り過敏になっていた。
その上で当麻が局所を攻めてくる。
「スキならちゃんとスキって言えよ。認めろよ、征士?」
突き上げる欲望の動き。
脈打つ自分の内部。
いやましていく衝動と感情。
締め上げる当麻の手。それとは裏腹に自分を甘やかし嬲るもう片方の手。
征士は何もかも分からなくなっていく。
「なあ、スキ? キライ? 簡単な質問だろ、征士」
妖しい笑みをこぼしながら当麻は目の前の美しい存在を汚していく。
部屋に満ちるのは青臭い異臭、そして甘やかなチョコレートの匂い。媚薬の翳り。
「スキ?」
くりくりと胸のいじらしい飾りを刺激しながら当麻が聞く。甘やかされて体が喜びにわななく。
「……ぅぁっ……」
押し殺しかみ殺そうとした征士の声。
「キライ?」
締め付けられる根元。
右手で力任せに押しつぶされそうな勢いで。
それなのに当麻は後ろから攻める律動は崩さない。
本能的な衝動を力で押しとどめられて征士は体を痙攣させる。苦しそうだった。だが苦しそうなだけではなかった。
「なあ、キライ?」
誘われて益々征士を嬲る当麻。
「当麻--」
征士は涙の滲んだ目で当麻を振り返った。
「何故--?」
限界を超えて追い詰められながら征士は切ない問いをぶつける。
「お前は、友達だと……思っていたのに……」
ほんの数ヶ月だが触れ合った記憶が、心の中で暗転していく。当麻は顔を歪めて笑った。征士はそうだったとしても、当麻には最初からそんなつもりはなかったのだから。
「俺はお前を初めて見た時からこうしたくて仕方なかったんだけどね」
征士の何もかもを打ち壊していく言葉。
それから当麻は自分を叩きつけ、征士の中を抉る。たまらずに征士が嬌声を上げる。
「もうこんなもんじゃ全然たりないよ」
征士の雄を締め上げながら当麻は屠る動きを繰り返し続ける。
痛みと快楽が絶え間なく襲いかかってきて征士は喉が枯れそうなほど喘ぎ続けた。
「ぅっ……あっ、当麻っ……!」
破裂したいのにそうは出来ない欲望。嬲られた体はもう当麻のものとも征士のものとも分からぬ液体に汚れきり、征士が凜とした美貌を誇るからこそ妖しくみだりがわしいものに思わせた。
「苦しい?」
「もうっ……ぁっ……やめっ……」
「イきたいの?」
征士の胸の飾りをいたぶる当麻の指先。
「ふっ……くっ……」
その問いには答えられず征士は震えて耐える。
「ちゃんとおねだりしたら何回でもイかせてやるって、征士」
今度は雄の尖端をつつき嬲りながら当麻は言う。根元はしっかりと締め付けているのに。「はっ…ああっ、ああああっ」
それから何分もの間、征士はその状態で喘ぎ、それでもひたすら耐えていた。
当麻の手は征士を押さえつけたままイタズラに体中を撫で回し、甘やかす。学ランの背中と金髪を見つめながら、当麻は征士の内部も楽しみ続けていた。
「もうっ……」
ついに征士が苦しげに言葉を吐き出す。
「--何?」
いたぶる動きは一切止めない。
通常を越えた媚薬に脳も何もかもを犯され嬲られ続け、征士は完全に限界だった。
振り返れば友達だと信じていた男が楽しそうに笑いながら自分を見下ろしている。征士を後ろから犯しながら。
「ゃっ……」
征士は震える。当麻は嬲る手を止め、自分の動きも止めて静寂を征士に与えた。
はあはあと切れる息だけが辺りに聞こえる。そうして、当麻が何を征士に要求しているのか彼は察した。恥辱に絶え入りたくなるがそれは出来ない。そして今そうしなければ自分は確実に発狂してしまうだろう。
狂い死にしてしまった方がマシかとも考える。だが狂い死にすれば、自分が当麻に犯された事が世間に露見してしまう。だからそれは出来ない。
追い詰められ、非情な現実を突きつけられて、征士は苦悩し刻々と膨れ上がっていく欲望に苛まれる。こうしている間にも媚薬の力は征士の体の中で猛威を奮い、精神さえも犯そうとしていた。
「い、かせてっ……くださいっ……」
当麻は締め付けていた指を外し征士を根元から尖端まで強烈に何度も扱き上げた。同時に腰を突き動かし征士の内部を大胆に苛烈に蹂躙した。
征士は悲鳴のような声を大きく立てて背筋を反り返らせ体を大きく何度も痙攣させながら欲望を真っ白に放ち、果てた。
追い詰められていた欲望は一度ではすまさず二度、三度と白濁の液体となってカーペットを汚し続ける。
当麻は堕ちた征士の中を散々に己の腐った欲望で叩きのめすと自分を引き抜いた。
「ンっ……あぁ……っ」
当麻の汚れた欲望が征士の学ランの背中にぶっかけられる。黒い生地の上に放たれる白い欲望。
前から後ろからかけられて征士はもう目も当てられない卑猥な姿だった。
荒い呼吸が繰り返され、征士は放心してカーペットの上に倒れていた。当麻は後ろから征士を抱き締め、その金髪を撫でつけた。
「やれば出来るじゃん、征士。それじゃ次の段階いってみようか」
「次……?」
虚ろな視線を征士は当麻に向ける。
征士は腕の拘束していたベルトをほどき、征士の手を掴んだ。
「こんなもんじゃたりないって言ったろ?」
当麻は征士の手を股間に持っていった。そうして征士に己自身を掴ませる。
「な、にをっ……」
「キモチイイ事スキって認めたろ、征士? ……自分でしてみせろよ」
赤くなって震える征士の頬に当麻は唇を寄せた。汚れて異臭を放つ顔にはまだ理性が残っている。媚薬に簡単に全て食われてしまうほど、征士の精神は弱くはないのだろう。
「この媚薬って、麻薬みたいな効果もあるらしいぜ?」
チョコレートをつまみ、征士の唇に押しつけながら当麻は言った。
「これからずっと、俺とこういう事して遊ぼう、征士。--ずっと、な」
そう言って当麻は握らせている征士の手を上から押す。自然と征士は自分で自分を扱くような形になって、呻き、チョコレートから顔を背ける。
「この味、キライじゃないんだろ? 逃げるなよ」
当麻はチョコレートを更に押しつける。
「当麻、は……」
犯され続けて征士は切れ切れの声で問いかけた。
「私が……嫌いなのか……?」
当麻はきょとんとして動きを止めた。やがて彼は黒いが鮮やかな笑みを顔全体に浮かべ征士の体を抱き締めた。
「まさか、ありえない」
今にも泣き出しそうな征士の顔にくちづけて、当麻は言う。
「だがっ……!」
嬲られ続けた征士はそんな言葉では納得出来ない。それを理解して当麻は不思議なほどに穏やかな顔で征士を抱き、口の中にチョコレートを入れてしまった。
「逆だよ、--愛してるんだよ、征士。初めて見た時からな」
(終)
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