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『悲しきジャイアニズム』
【かんぷ子様より】 

「俺の物は俺のお前の物は俺の。お前の苦悩も俺のだ」
「秀・・・」当麻は涙を堪えるみたいに目を覆った
「・・・協力、してやるぜっ! 当麻っ!!」
当麻が征士に抱く恋を、励ます様にヤツの背中を叩いた
が、結局、当麻は立ち直れん程こっ酷くふられたらしい
「俺の物は俺のお前の物は俺の。お前の痛みも俺のだ」
「秀・・・」「朝まで自棄酒、付き合うぜっ!当麻!」
当麻は、俺の目の前で、しゃっくりを上げて男泣きした
そして、その一週間後・・・
「秀、お前には真っ先に報告しねぇとな?」当麻が・・
不敵な笑みを浮かべ、征士の細腰にがっちり手を回し
恋愛成就を・・・報告してきたんだぜ・・・っ!!
どうやって、モノにしたんだぁ!!?
「体から、始まる恋ってヤツだ・・・」
当麻の発言に征士が照れ隠しで、当麻を小突いてる・・
「無傷じゃすまなかったけどな。満身創痍だぜ・・・」
言いながら当麻がこさえた傷を見せた。
そりゃあ、武闘派征士を手篭めなんて無事で済む訳ねぇ
俺は照れやら、気恥ずかしさやら、でへへっと笑い、
当麻の肩に手を回すと、ウィンクして言った。
「俺の物は俺のお前の物は俺の、お前の喜びも俺のだ」
苦しみも痛みも分かち合ってきた。喜びだって当然だ!
けどよ・・当麻の顔からすっと笑顔が消えてたんだよ。
酒を飲んで色々話を聞かねぇとな!と続けようとしたら
ぐいっ!!・・・って当麻が俺の胸倉を掴んだんだよ。
で、俺にメンチ切りながらあいつなんて言ったと思う?
「ざ・・っけんなっ!」「な、何怒ってんだ?当麻!」
「征士は俺の物だ!俺以外に味わわせる気は、ない!」
そして征士を大事そうに抱え、猛スピードで部屋を出た
「そ、そういう意味ぢゃねーよっ!馬鹿当麻っ〜!」
当麻の誤解に俺は、家中に響く声で叫んじまったぜ。

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一連の騒ぎを傍観していた伸は、一句詠む。

「美しき ジャイアニズム 報われず」そして呟く。

「哀れな秀の為に、夕飯は秀の好物にしてやろう・・」

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終わり


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